福寿草の株分けと植え替えについて    平成福寿草の会編

  株分けの手順
  鉢植えの手順


適期は8月中旬から10月下旬頃迄がベストです。寒い地域ほど植え替えは必然と早くなります。
花芽の生育状況は天候、置場所、又種類により大きさに差が出来ます。
ボールペン位の太さであれば株分けも出来ますので、植え替えをして下さい。
芽の小さいうちに株分けをすると、その後の生育は悪く根付かないまま枯死する場合もあります。
花芽が小さい時は春の植え替えが適しています。春、開花後、新葉が展開を始める時に株分けや植え替えをします。
その後の成育には問題はありませんが、加湿にしない事と施肥は控える事、根張優先なので乾かし気味の灌水を心掛けて下さい。
※ 植え替え後は明るい日陰での栽培です。

※ 灌水の目安
   9月〜2月(開花まで)4日〜7日に1回
   3月〜6月上旬(葉がある期間)3日〜5日に1回
   6月〜9月(休眠期)7日〜10日に1回

   9月以降、夜温が15度以下になると根が活動を始めます。
  11月中旬〜5月上旬迄は陽当りの良い所で栽培します。葉が枯れ次第、風通しの良い木陰などに移動して休眠させて下さい。

※ 施肥の目安
  植え替えや株分けをしなかった鉢には、12月中旬〜1月下旬の間と、3月中旬〜4月初旬の間に1回ずつ置肥します。
  (5号鉢で2〜3個 根は活動しています。)
  植え替えた鉢は3月中旬頃に1回置肥します。
  開花前は地上部、つまり葉がないのでチッソ分の多い肥料は与えないで下さい。(チッソ分は3以内)
  葉が展開してからはハイポネックスなどの液肥でも良いです。
  この場合でも根張り優先ですからチッソ分は5以内の物を与えて下さい。
  チッソ分が多いと葉ばかり繁り、根張りは悪くなります。
  根張りが悪いと翌年の芽数も少なく、貧弱な芽ですと高温になる頃に灌水過多などによる蒸れで枯死してしまいます。

※ 置き場について
  原則的には年間を通して屋外又は軒下です。いずれも11月〜4月まで良く陽が当たる所へ置いて下さい。
  フレームや室内での栽培は陽当たりが良く暖房の無い場所、開花前の1〜2ヶ月間は充分な寒さに合わせる事が重要です。
  風通しが無く暖かく水分が多いと、芽元が黒くなり腐る軟腐病になります。
  芽は駄目になりますが、バルブは生きていますので株を洗って植え直して屋外へ、管理が適切であれば秋には芽がでます。
  軟腐病の予防は屋外に置き灌水を控えることです。

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株分けの手順

株分け前、ホースを使い水洗い後、古い根などを整理します。
(サンプルは福寿海、時期は9月上旬)
分ける芽数を決めてから花芽を折らないように注意して、出来る限り手で折ります。 手で無理な場合、マイナスドライバーを使い、押し込むようにするとバキッと云う音がして株分けが出来ます。 刃物を使用すると沢山の根が切れてしまいます。出来る限り根を残すことが上作の秘訣です。
株分けした後の様子。


鉢植えの手順

 1.一般用土を使用した方法

用土は簡単に入手でき、手頃な価格のものを使用してください。
写真は赤玉土50%、鹿沼土50%をブレンドしたもので、大、中、小を準備します。
用土は必ずフルイにかけ、微塵を除いて下さい。
用土は冬に凍結してもバラケない物を、自分の目で探して下さい。
袋に硬質と印刷してありますがアテにしない方がよいでしょう。
赤玉はコゲ茶色で砂質なものを、鹿沼土は白黄色を目安に選ぶと失敗しません。
北関東のホームセンターでは、赤玉土、鹿沼土14リットル入りで200円位です。
最近は赤玉単用植えや、鹿沼単用植えの方も多いですが、単用植えでも水加減が判れば良く出来ます。
2年位で植え替えになりますから、あれこれ混ぜないようにして下さい。
根張優先ですので硬い軽石類は多用しないで下さい。
鉢底に大粒30%、中粒20%入れたところで、元肥のマグアンプKを小さじ一杯、根先に触れない位置に入れます。
小粒を山型に入れます。
鉢に株を並べ花芽の向きを考え、配置を決めます。
この時用土が入りやすいように、根を広げておいて下さい。
根を広げて、鉢の横を叩きながら小粒を入れます。
根が多いとなかなか上手く入りません。
その場合は、根の部分だけに微塵抜きで落とした細粒(挿芽用土でもOK)を更に微塵抜き(アミ戸目)したものを使用すると根に隙間が無く植えられます。
その際、根の周囲や上部は小粒で植えて下さい。
この作業は新聞紙などを円筒にして根の部分を囲うと簡単に出来ます。



2.微粒用土を使用した植え替え方法

左が小粒、右が微粒です。微粒が無い場合、挿芽用の鹿沼土、赤玉土でも大丈夫です。
いずれも微塵抜きは行って下さい。
隙間無く植える為に、新聞紙などを鉢のサイズ等に合わせて円筒状に作成し、根の周りを囲います。
円筒の囲いの内側に微粒用土を入れてから、外側に小粒を入れます。
囲いを抜き取り、表面に小粒を入れて完了です。
ラベルを立てて灌水して下さい。
微粒ですので植え替え後、すぐに灌水をして下さい。
(微粒植えは根との隙間が無いので乾燥が速いため)
ラベルを立て植え替え完了です。灌水のスペースは2p位残して下さい。
たっぷりと灌水して微塵を流し、用土を落ち着かせます。
その後、明るい日陰で管理します。
灌水は4日〜7日に1回行ってください。

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