福寿草栽培のポイント
    平成福寿草の会編



株分けと植え替え(北関東での栽培例です。)

植え替えの適期ですが春は花後の新葉が展開する直前が最も失敗が少ないです。
株分け時、新根を切らないように十分に注意して下さい。根の少ない株は小分けにしない事。
秋の植え替えは8月下旬より10月中旬頃がベストです。
地植えする場合も花後が無難です。但し根が切られているポット苗などは1〜2作鉢作りをしてから地植えにします。。
力のない株や増殖しようとする場合は、見る花数を限定し(2花位)蕾の小さい時、又花後は種を付けないよう早めに花を摘み取ります。
鉢植えは5号鉢に2〜3芽を目安に小さ目の鉢に植えるのが上作のヒケツです。


用土について(大、中、小、細粒、全てフルイに掛けミジンを抜く)

最近は手間の掛からない単用土植えが増えています。
鹿沼土、赤玉土の各単用でも良く出来ます。これは仮植えではありませんのでシッカリと植え込む事。
殆どの用土は硬質と袋に印刷して有りますが色で見分けて下さい。
鹿沼土は赤味の少ない白黄色。赤玉土はコゲ茶色のものを選んで下さい。これら凍結してもバラケが少ないです。
用土に手間をかけるなら鹿沼土5割、赤玉土4割、軽石1割、又は鹿沼土5割、赤玉土5割が良く出来ます。
高価な用土を使用しても3年以内に必ず植え替えが必要です。
作落ち株や小苗は細粒で植えると根張りが良くなります。
植える時は必ず、大、中、小の順です。

用土に腐葉土は混入しない事。
うまく行った時は素晴らしい作になるのですが赤花種のように雑菌に弱い種もあるので
使用しないのが無難かと思います。地植えも同様です。


肥料について

福寿草は根を育てれば素晴らしい花が咲き、驚くほど増殖します。
したがって、肥料はチッ素分が少ないリンやカリ分の多い物を使用して下さい。
チッ素は3以内、リン・カリは5以上であればOKです。
元肥は植え替え時、大粒用土の上にマグアンプKを小さじ1杯入れます(5号鉢で)。
夜温が10度以下になると根は活動しますので12月初旬に置き肥、1月初旬に又置き肥をする。
花後にも置き肥、この1ヶ月後に又置きます。
これは10円玉くらいの油粕でメーカーは日清ガーデンメイト発売で固形骨粉と書いてある肥料を使用しています。
チッソ(2)リン(6)カリ(12)チッソ分が少ないので肥料当たりはしません。
目安は2〜3芽の5号鉢で1ヶ、花後は2ヶ施用。
液肥は国華園で販売している大菊液肥PK、桃色の角ボトル(1リットル入り)チッソ(2)リン(8)カリ(12)1,000円前後、
日清の固形骨粉5s入りで1,500円前後で各地のホームセンターで販売しています。
全ての植物にこの2種類を使用していますが良く育ちます。
福寿草は葉も無くしかも寒い時期なので肥料の事は忘れがちですが大事な作業です。

※ 植え替えたものや小苗等は葉が展開する頃から与えて下さい。


福寿草の管理と発色について

福寿草は丈夫で作りやすい植物です。
近年の夏の異常な暑さには少し音を上げているようですが、耐寒性は抜群です。
夏の間は日陰に置く事で暑さを凌ぐ事が出来ます。
近年の福寿草ブームで草質を理解していない方が多く、真冬に枯れたり、軟腐病になるケースが多いようです。
以下の事には十分な注意をして下さい。

人気の紅花種全ては、植え替えや株分けした時が最も弱く、加温した室内やフレーム等に入れると軟腐病になり易く、
花芽が黒くなりスッポ抜けるケースが多く管理には十分注意して下さい。
芽が駄目でも根が生きていれば復活します。
全ての種は、株分けや購入した初年度は屋外又は軒下に置き自然に咲かせるのが一番無難です。

※ 「紅花が弱い」は、寒さに弱い意味ではありません。
※ 12月中旬から開花の間の植え替えは厳禁です。
※ 2〜3日で融ける凍結は問題ありません。


花色について
購入した方より「白花が黄色く咲いている。」とのご指摘や相談がよくありますが、
以下の条件によって発色しない事もあります。

1.寒さに合わせずに加温して咲かせた。
2.株分け、及び植え替えをした。
3.チッ素分の多い肥料を与えた。
4.根張りが不十分で力の無い時。


赤花も白花と同様に発色しない事もあります。変花咲きも同様で芸をしない。
特に室内に持ち込む時は、50日以上は寒さに合わせてから日当たりのよい所に置いて咲かせて下さい。
花後は屋外に、雪国の方は出来る限り日の当たる所に置いて下さい。
早咲きをさせないのでしたら、雪の下が無難です。自然に咲いた時が一番美しいのです。

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